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ホーム復興支援の取り組みGHたろうの震災体験記

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GHたろうの震災体験記

「津波が来る時は別、めいめいこで」(50代 女性)

田老のグループホームに勤務していたが、11日は出勤していなかった。普段から職員に話していたのは、まず津波が来る地域だということ。
田老は津波が来る地域だが、旧宮古市から通う職員も多かったので、あまり意識はしていなかった。ただ、夜勤1人の時に何かあったら駆けつける事を考えて、田老地区の職員を2人配置してもらっていた。今回勤務していた2人が田老の住民で、常に訓練で避難路が頭に入っていたということも幸いし、入所者、職員全員が無事に避難をすることが出来た。

当時、私は連絡が取れないので、田老がどうなっているだろうと考え、不安でたまらなかった。今でも思い出すと鳥肌が立つ。今回、マニュアルが一つも活かされなかったが、職員がマニュアルと正反対の動きをした事が幸いした。当日、3人の職員が冷静な判断をして、それぞれ無言のままに相手の動きを見て、「私はこれを揃えるよ」と動いた。
火災訓練では、人を逃すだけで何かを持ち出すというのは一切無い。
でも職員達は、衣類や毛布、入居者のファイル、薬などをそれぞれが短時間で動いて集め銘々に3人ずつ連れて逃げている。私は日頃のチームワークが発揮されたのだと思っている。普段の動き方がとっさの時に出たのかなと感じた。

普段は、寒いから今日はホームの外に出るだけの避難にしようという感じで、山の上まで避難したことは無いし、もちろん全員で田老公民館まで行った事は無い。指示が通じない人達を連れて、訓練していない所に逃げて一昼夜。本当に私は頭の下がる思いだ。
地元の職員を配置するようにしたのは、数年前、宮古病院裏の林野火災で国道45号線が通行禁止になった事があったから。通行できたとしても崎鍬ヶ崎から車で15分ぐらいはかかるので孤立する可能性もある。
以前、運営推進会議に参加された地元の分団の方が、「火事のようなそこだけの災害の場合は地域の方も駆けつけてくれるが、津波が来る時は別、めいめいこで逃げてもらわなければ困る」と言った。それで、私達は命を預かっているし、2年前のように国道を遮断されたら孤立してしまうので、やはり自分達で守らなければならないなと考えてすぐに駆けつけられる地元職員を配置することにした。

後日職員に聞いたら、「おっかなかったけど、この人達と一緒に逃げなければいけないと思った」と言われた。車いすの方も2人居たし、指示が通らず逃げない方が2階にいたが、引っ張って引きずるようにして連れて逃げたというので、よくそこまでして逃げてくれたなと本当に感謝している。

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